電験3種WebHandMade[過去問・解答・重点学習]

計算問題ポイント集「直流機・同期機・誘導機・変圧器」






1.直流機






2.同期機






3.誘導機






4.変圧器






4.直流機に関する例題(解答非公開)






5.同期機に関する例題(解答非公開)






6.誘導機に関する例題(解答非公開)






7.変圧器に関する例題(解答非公開)






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  2. 計算問題ポイント集「電力系統」
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  4. 計算問題ポイント集「電気設備技術基準」


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直流機の要点


  1. 直流機は固定する部分である固定子と回転する回転子から構成され、固定子に界磁、回転子に電機子を設置する。

  2. 励磁とは、電流を流して磁界、つまり磁束を発生させる行為のことであり、永久磁石は含まない。

  3. 永久磁石は、外部から特別なことをしなくても常に磁束を発生している磁石のことであり、磁束が集中する磁石の両端を磁極と呼ぶ。

  4. 磁極はN極とS極の2種類が存在し、異種の磁極同士では吸引力が働き、同種の磁極同士では反発力が働く。

  5. 磁石の両端はN極とS極の異種の磁極が一対で存在し、単独で磁極が存在することはない。

  6. 電磁石とは、強磁性体〔鉄心〕に設けた巻線に電流を流すことにより鉄心を磁化した磁石のことであり、電流を流し続けなければ磁石の性質は失われる。

  7. 電磁力とは、磁界中に置かれた導体に電流を流すことにより、導体に働く力のことをいう。

  8. 電磁誘導とは、導体に供給する磁束の変化により、導体に誘導起電力が発生する現象のことをいう。
    誘導起電力により導体に流れる電流を誘導電流という。

  9. 界磁とは、電磁石または永久磁石により電機子に磁束を供給する装置〔磁極〕をいい、電機子とは界磁との作用により、誘導起電力や電磁力・吸引力を発生させる装置のことをいう。

  10. 電磁誘導により、発電機は回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、電磁力・吸引力により電動機は電気エネルギーを回転エネルギーに変換することができる。

  11. 界磁は固定子鉄心〔界磁鉄心〕に界磁巻線を設けて磁極とし、電機子は回転子鉄心〔電機子鉄心〕に電機子巻線が設けてあり、界磁巻線に直流電流を流すことにより電磁石となるので電機子巻線に磁束〔界磁磁束〕を供給することができる。界磁は永久磁石で置き換えることが可能。

  12. 直流発電機

    回転子を回転させると、電磁誘導により電機子巻線に誘導起電力が発生するので、整流子とブラシにより直流電圧として取り出す。界磁磁束の供給がなければ、回転子を回転させても誘導起電力は発生しない。

  13. 直流電動機

    電機子巻線に直流電流を流すと電機子巻線に電磁力が発生し、回転子がトルク〔回転力〕を得て回転する。界磁磁束の供給がなければ、電機子巻線に電流を流しても電磁力は発生しない。
    また、回転子の回転により電機子巻線に電流を妨げる方向に誘導起電力が発生する。この誘導起電力を逆誘導起電力〔逆起電力〕という。

  14. 界磁巻線および電機子巻線の電気抵抗を界磁抵抗および電機子抵抗と呼び、界磁巻線および電機子巻線に流れる電流を界磁電流および電機子電流という。

  15. 発電機と電動機の等価回路は同じであるが、電流の方向に注意する。

  16. 電機子巻線の巻き方には、重ね巻と波巻がある。

  17. 界磁磁束の供給方法には、他励式、分巻式、直巻式などがある。

  18. 他励式とは、界磁電流を独立した電源から供給する方式

  19. 分巻式とは、界磁電流を独立した電源に頼らずに、界磁巻線と電機子巻線を並列に接続して供給する方式

  20. 直巻式とは、界磁電流を独立した電源に頼らずに、界磁巻線と電機子巻線を直列に接続して供給する方式

  21. 直流発電機の用途
    同期機の励磁用電源、電気分解、金属めっき

  22. 直流電動機の用途
    電車、クレーン、工作機械

  23. 電機子電流により発生する磁束が、界磁磁束の分布に影響を与えることを電機子反作用という。

  24. 電機子反作用は、直流発電機では誘導起電力を減少させる作用、直流電動機ではトルクを減少させ速度を上昇させる作用をする。

  25. 直流機の誘導起電力Eの式

    E=kΦN [V]

    k=pz/60a

    k:比例定数
    Φ:1極あたりの磁束[Wb]
    N:回転数[min−1]
    p:極数
    z:電機子全導体数
    a:電機子並列回路数

    波巻の並列回路数a=2
    重ね巻きの並列回路数a=極数p

  26. 直流電動機に発生する誘導起電力は、電機子電流の流れる方向とは逆向きになるので、逆起電力と称されることがある。

  27. 直流機の等価回路から、界磁が電機子に界磁磁束を供給している様子をイメージできるようにする。

  28. 直流機のトルクTの式

    T=k'ΦIa [N・m]

    k'=pz/2πa

    k':比例定数
    Φ:1極あたりの磁束[Wb]
    Ia:電機子電流[A]
    p:極数
    z:電機子全導体数
    a:電機子並列回路数

  29. 直流機のトルクTの式

    T=P/ω [N・m]

    P=EIa [W]
    ω=2π×(N/60) [rad/s]

    P:出力〔機械出力〕[W]
    ω:角周波数[rad/s]
    E:逆起電力[V]
    Ia:電機子電流[A]
    N:回転数[min−1]


同期機の要点


  1. 同期機は固定する部分である固定子と回転する回転子から構成され、回転子に界磁、固定子に電機子を設けているものを回転界磁形、直流機と同様に固定子に界磁、回転子に電機子を設けているものを回転電機子形と呼んでいる。

  2. 同期機の多くは回転界磁形が採用されており、三相交流で動作する三相同期機について考える。

  3. 固定子鉄心〔電機子鉄心〕には三組の電機子巻線を120°間隔で適切に配置し、端子を三つ設けている。

  4. 界磁は直流機と同じように界磁巻線に直流電流を流すことにより電磁石となるので、電機子巻線に磁束を供給することができる。永久磁石で置き換えることもできる。

  5. 回転磁界とは、実物の磁石が回転子の周りを回転しているような効果があり、三相交流電流により容易に発生させることができる。

  6. 回転磁界の回転速度を同期速度といい、同期機は同期速度と回転子の回転速度が同期している。

  7. 三相同期発電機

    回転子を回転させると、電磁誘導により電機子巻線に誘導起電力が発生し、三端子から三相交流電圧を得ることができる。
    また、電機子巻線に流れる三相交流電流により回転磁界が発生する。

  8. 三相同期電動機

    電機子巻線に三相交流電流を流すことにより回転磁界が発生し、界磁との吸引力により回転子が回転磁界の回転速度〔同期速度〕と同期して回転する。

  9. 三相同期機の電機子巻線の結線方式は、Y結線である。

  10. 回転子の構造は、突極形と円筒形〔非突極形〕に分類される。

  11. 突極形は、低速回転の水車発電機に採用されている。

  12. 円筒形は、高速回転のタービン発電機に採用されている。

  13. 同期発電機の用途
    大容量発電所の発電機

  14. 同期電動機の用途
    鉄鋼圧延、ロータリーキルン、輪転機

  15. 電機子電流により発生する回転磁界による磁束が、界磁磁束の分布に影響を与えることを電機子反作用という。直流機との違いは、誘導起電力に対する電機子電流の位相関係〔同相、遅相、進相〕により作用が異なることである。

  16. 同期機の誘導起電力または逆起電力と端子電圧の位相差を内部相差角〔負荷角〕という。

  17. 負荷変動による回転子の回転速度の変化を同期速度に戻す作用の大きさを同期化力といい、同期化力が大きいほど同期外れ〔脱調〕を起こしにくくなる。

  18. 三相同期発電機の一相分の等価回路とベクトル図を書けるようにしておく。
    交流回路と三相交流回路の知識を基本し、それを三相同期発電機に当てはめる。

  19. 同期機の等価回路には、直流機の等価回路に表記されている界磁の箇所が表記されていない。
    電源の内部に界磁が存在しているものとして考えること。

  20. 三相同期発電機の出力Pの式

    P=3EIcosθ [W]

    E:端子相電圧[V]
    I:負荷電流[A]、負荷電流=電機子電流
    cosθ:負荷力率

  21. 三相同期発電機の出力Pの式

    P=〔(3E0E)/Xs〕×sinδ [W]

    E0:誘導起電力[V]
    E:端子相電圧[V]
    Xs:同期リアクタンス[Ω]
    δ:内部相差角(E0とEの位相差)

  22. 三相同期電動機の一相分の等価回路とベクトル図を書けるようにしておく。
    交流回路と三相交流回路の知識を基本し、それを三相同期電動機に当てはめる。

  23. 三相同期電動機の出力Pの式

    P=3E0IcosΦ [W]

    E0:逆起電力[V]
    I:負荷電流[A]、負荷電流=電機子電流
    Φ:E0とIの位相差

  24. 三相同期電動機の出力Pの式

    P=〔(3E0E)/Xs〕×sinδ [W]

    E0:逆起電力[V]
    E:端子相電圧[V]
    Xs:同期リアクタンス[Ω]
    δ:内部相差角(E0とEの位相差)

  25. 三相同期電動機の出力Pの式

    P=ωT=2π×(Ns/60)×T [W]

    ω:角周波数[rad/s]
    T:トルク[N・m]
    Ns:同期速度[min−1]

  26. 同期速度Nsの式

    Ns=(120/p)×f [min−1]

    p:極数
    f:周波数[Hz]

  27. 誘導起電力 E0の式

    E0=4.44kfnΦ [V]

    k:巻線係数
    f:周波数[Hz]
    n:1相の巻数
    Φ:1極の磁束[Wb]

  28. 同期化力Psの式

    Ps=〔(E0E)/Xs〕×cosδ [W]

    E0:誘導起電力[V]
    E:端子相電圧[V]
    Xs:同期リアクタンス[Ω]
    δ:内部相差角(E0とEの位相差)

  29. 無負荷飽和曲線とは、三相同期発電機を定格速度で無負荷運転し、界磁電流を零から増加させたときの端子線間電圧と界磁電流との関係を表したものである。
    端子線間電圧は、界磁電流が小さい範囲では界磁電流にほぼ比例するが、界磁電流がさらに増加すると、飽和特性を示す。

  30. 三相短絡曲線とは、三相同期発電機を三相短絡した状態において定格速度で運転し、界磁電流を零から増加させたときの三相短絡電流と界磁電流との関係を表したもので、ほぼ直線となる。

  31. 三相同期発電機の短絡比Ksの式

    Ks=If/If'=Is/In

    If:無負荷において、端子線間電圧が定格電圧Vnとなる界磁電流
    If':三相短絡電流が定格電流Inとなる界磁電流
    In:定格電流
    Is:界磁電流Ifのときの三相短絡電流

  32. 三相同期発電機の%同期インピーダンス(%Z)の式

    %Z=(1/Ks)×100 [%]


誘導機の要点


  1. 誘導機の主力は誘導電動機であり、産業用の大動力源として用いるのは三相誘導電動機である。

  2. 小動力源として家庭電化製品などに多く用いられている単相誘導電動機についてはここでは考えない。

  3. 界磁と電機子の用語は、三相誘導電動機には当てはめにくいので、固定子〔一次側〕と回転子〔二次側〕を用いる。

  4. 三相誘導電動機の固定子の固定子鉄心には、同期機と同じように三相の固定子巻線を120°間隔で配置し、回転子の回転子鉄心には回転子導体として、かご形の導体または巻線形の導体を設けている。

  5. かご形回転子は、回転子溝に導体を納めてその両端が端絡環〔短絡環〕で短絡接続されている。

  6. 巻線形回転子は、回転子鉄心に三相結線した巻線形導体が、スリップリングとブラシを通じて外部抵抗で接続されている。

  7. 誘導電動機は回転子の構造により分類する。

  8. かご形回転子の誘導電動機をかご形誘導電動機、巻線形回転子の誘導電動機を巻線形誘導電動機と呼んでいる。

  9. 三相誘導電動機の用途
    ポンプ、圧縮機、送風機

  10. 三相誘導電動機

    固定子の一次巻線に流す一次電流〔三相交流電流〕により、一次誘導起電力と回転磁界が発生する。回転磁界により、回転子導体に二次誘導起電力が発生し二次電流〔誘導電流〕が流れるので、回転子導体に電磁力が働き、回転子がトルクを得て回転する。

  11. 固定子の回転磁界の回転速度を同期速度Nsといい、回転子の回転速度Nは同期速度Nsより遅い速度で回転する。

  12. 回転子が同期速度より遅い速度で回転しなければ、回転子導体は回転磁界の磁束を切ることができないので、誘導起電力は発生しない。

  13. 誘導電動機の動作原理上、s=(Ns−N)/Nsで定められている「すべり」は重要な式となる。

  14. 回転子が静止している時〔始動直後または回転子拘束〕は回転速度Nは0であるので、すべりは1となり、回転速度Nが同期速度Nsに近づくにつれて、すべりsも0に近づく。

  15. 回転子が回転している時の二次誘導起電力と二次周波数と二次リアクタンスは、静止している時〔始動直後または回転子拘束〕の二次誘導起電力と二次周波数とニ次リアクタンスのs倍である。抵抗の値は周波数により変化しない。

  16. 誘導電動機の一次側等価回路
    回転磁界を発生させる励磁回路を除いた等価回路または励磁回路を電源側へ移動した等価回路(L形等価回路)で計算する問題が多い。

  17. 誘導電動機のニ次側等価回路
    機械出力を表す等価出力抵抗を導入することにより、変圧器と同形の等価回路となる。

  18. 誘導電動機の諸計算は、一次換算等価回路で考えることが多い。
    変圧器のように換算式を覚える必要はないが、二次側から一次側に換算されていることは認識しておくこと。

  19. 鉄損とは、鉄心を交流電流で磁化する時に発生する損失で、ヒステリシス現象によるヒステリシス損と鉄心に渦電流が流れることによる渦電流損の和で表される。

  20. トルクを一定に保って回転子の速度を制御することをトルクの比例推移といい、巻線形誘導電動機のみ可能である。

  21. 巻線形誘導電動機の外部抵抗を変化させると回転子の回転速度は変化〔すべりも変化〕するが、二次抵抗とすべりの比を一定にすることにより、トルクを一定に保つことができる。

  22. 誘導電動機の等価回路から、エネルギーの入出力箇所を把握する。
    一次入力、一次出力=二次入力、二次出力
    単に出力という場合は、二次出力(機械出力)のことを示す。

  23. 誘導電動機の等価回路から、エネルギーの損失箇所を把握する。
    一次銅損、鉄損、二次銅損
    一次抵抗と二次抵抗で銅損が発生し、励磁回路で鉄損が発生する。

  24. 同期速度と回転速度の違いを把握する。
    同期速度とは、回転磁界の回転速度である。
    回転速度とは、回転子の回転速度である。

  25. 誘導機の基本式は等価回路と合わせて暗記すること。

  26. 同期速度のNs

    Ns=(120/p)×f [min−1]

    p:極数
    f:周波数[Hz]


  27. すべりのs式

    s=(Ns−N)/Ns

    Ns同期速度[min−1]
    N:回転速度[min−1]


  28. 回転速度Nと同期速度Nsの式

    N=(1−s)Ns [min−1]

    s:すべり


  29. 一次銅損Pc1、二次銅損Pc2、出力Pの式

    Pc1=I12r1 [W]

    Pc2=I22r2 [W]

    P=I22×〔(1−s)/s〕×r2 [W]

    I1:一次電流[A]
    r1:一次抵抗[Ω]
    I2:ニ次電流[A]
    r2:ニ次抵抗[Ω]

    s:すべり


  30. 二次入力P2、二次銅損Pc2、出力Pとすべりsの関係式

    P2:Pc2:P=1:s:1−s


  31. トルクTと出力Pの式

    T=P/ω=P/〔2π×(N/60)〕 [N・m]

    P=ωT=2π×(N/60)×T [W]

    ω:角周波数[rad/s]
    N:回転数[min−1]


  32. トルクTと二次入力P2の式

    P2=ωsT=2π×(Ns/60)×T [W]

    ωs:同期角周波数[rad/s]
    Ns:同期速度[min−1]


  33. すべり周波数(二次周波数)f2の式

    f2=sf1 [Hz]

    s:すべり
    f1:一次周波数(電源周波数)[Hz]


  34. 比例推移の式

    r2/s1=(r2+R)/s2

    r2:二次抵抗[Ω]
    R:外部抵抗[Ω]
    s1:R挿入前のすべり
    s2:R挿入後のすべり


  35. 最大トルクTmが発生するすべりsmの式

    smr2/x2

    r2:二次抵抗[Ω]
    x2:二次リアクタンス[Ω]


  36. 一次誘導起電力E1と二次誘導起電力E2の式

    E1=4.44k1n1f1Φ [V]

    E2=4.44k2n2f1Φ [V]

    E2は、始動直後(回転子静止、すべりs=1)の値で、f2f1となる。
    回転子がすべりsで回転している場合の二次誘導起電力は、sE2であるが、等価出力抵抗を導入することにより、二次誘導起電力の値は常時E2の値を採用することができる。

    k1:一次巻線係数
    n1:一次巻線数(一相分)
    f1:一次周波数(電源周波数)[Hz]
    Φ:1極の磁束[Wb]
    k2:ニ次巻線係数
    n2:ニ次巻線数(一相分)
    f2:二次周波数(すべり)[Hz]


変圧器の要点


  1. 最も基本的な変圧器であるニ巻線変圧器は共通の鉄心に一次巻線と二次巻線を設けている。

  2. 一次巻線と二次巻線の一部を共有している変圧器を単巻変圧器、一次巻線と二次巻線および三次巻線を設けてある変圧器を三巻線変圧器と呼んでいる。

  3. 理想変圧器とは、透磁率が無限大の鉄心で、漏れ磁束がなく、エネルギー損失がない理想化された回路素子と言えるものである。

  4. 理想変圧器は、内部にエネルギーを蓄えることなく、一次側から二次側に瞬時にエネルギーの伝達及び変成を行っている素子であると解釈する。

  5. 現実の変圧器は、理想変圧器に電気抵抗・インダクタンス・コンダクタンス・サセプタンスを組み合わせて表現する。ただし、状況により励磁回路を無視したり移動したり、さらには理想変圧器のみで考える場合もある。

  6. 一次巻線に交流電流を流すと共通の鉄心に増減する磁束が発生し、一次巻線と二次巻線に鎖交する。鎖交する磁束の増減により一次巻線に一次誘導起電力、二次巻線に二次誘導起電力が発生する。


  7. 一次巻線に流す電流が直流では、鎖交する磁束が増減しないので、誘導起電力は発生しない。

  8. 一次誘導起電力E1と二次誘導起電力E2の式

    E1=4.44fN1Φm [V]

    E2=4.44fN2Φm [V]

    N1:一次巻線数
    N2:二次巻線数
    f:周波数[Hz]
    Φm:最大磁束[Wb]

  9. 巻数比a(変圧比)の式

    E1/E2N1/N2I2/I1=a

    E1一次誘導起電力[V]
    E2二次誘導起電力[V]
    N1:一次巻線数
    N2:二次巻線数
    I1
    :一次電流[A]
    I2:二次電流[A]

  10. 巻数比a(変圧比)の逆数1/aを変流比という。

  11. 理想変圧器であれば、損失が発生しなので『誘導起電力=端子電圧』となる。

    V1/V2N1/N2I2/I1=a

    V1:一次端子電圧[V]
    V2:二次端子電圧[V]
    N1:一次巻線数
    N2:二次巻線数

    I1:一次電流[A]
    I2:二次電流[A]

    a:巻数比(変圧比)

  12. 変圧器の諸計算は、一次換算等価回路及び二次換算等価回路どちらでもで対応できるようにすること。

  13. 一次換算式

    a:巻数比

    二次インピーダンスをa2倍にする。
    二次電圧をa倍にする。
    二次電流を1/a倍にする。

  14. 二次換算式

    a:巻数比

    一次インピーダンスを1/a2倍にする。
    一次電圧を1/a倍にする。
    一次電流をa倍にする。

  15. 誘導電動機と同様に、一次抵抗と二次抵抗で銅損が発生し、励磁回路で鉄損が発生する。

  16. 変圧器は効率に関する計算問題が多く出題されている。

  17. 効率=出力/入力=出力/(入力+損失)

  18. 変圧器が最大効率となる条件式

    無負荷損〔鉄損〕=負荷損〔銅損〕

  19. 無負荷損〔鉄損〕とは、鉄心で電力が熱として消費される損失のこと。
    負荷変動に関係なく一定の値となる。

  20. 負荷損〔銅損〕とは、巻線抵抗やブラシの接触抵抗で電力が熱として消費される損失のこと。
    負荷変動〔負荷電流の変動〕により変化する値となる。

  21. 機械損とは、回転軸などの摩擦により発生する熱損失のことである。
    計算問題では無視することが多いが、稀に考慮する場合もある。

  22. 変圧器の全日効率の式

    全日効率=1日の出力電力量/1日の入力電力量

  23. 電力系統は系統電圧の異なる回路が変圧器で接続されており、発電機、変圧器、送配電線路などの各部のインピーダンスを単純に加え合わせることができず、インピーダンス換算を伴う複雑な計算となってしまう。
    そこで、基準容量に合わせた%インピーダンスを用いると複雑な換算なしに計算することが可能となる。

  24. %インピーダンス(%Z)とは、定格電流Inによるインピーダンス降下In×Zが回路の定格電圧Vnの何%に当たるかを表した値。

    %Z=〔(In×Z)/Vn〕×100 [%]

  25. %インピーダンス(%Z)の抵抗分を%抵抗降下p、リアクタンス分を%リアクタンス降下qという。

    p=〔(In×r)/Vn〕×100 [%]

    q=〔(In×x)/Vn〕×100 [%]

    r:インピーダンスZの抵抗分
    x:インピーダンスZのリアクタンス分

  26. 電圧変動率εの定義式

    ε=〔(V20− V2n)/V2n〕×100 [%]

    V20:無負荷二次電圧[V]
    V2n:定格二次電圧[V]

    電圧変動率εの簡略式

    ε=pcosθ+qsinθ [%]

    cosθ:力率
    sinθ:無効率

  27. 単巻変圧器は一次巻線と二次巻線の一部を共有している変圧器のことであるが、共有している巻線部分を分路巻線、それ以外の巻線を直列巻線という。

  28. 単巻変圧器の等価回路と関連式は、降圧用等価回路と昇圧用等価回路の両方を覚えておくこと。

  29. 定格容量Pnの単相変圧器3台を三相結線して三相変圧器とすると、三相負荷に供給できる容量は3Pnとなる。

  30. 定格容量Pnの単相変圧器2台をV結線して三相変圧器とすると、三相負荷に供給できる容量は√3×Pnとなる。