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計算問題ポイント集「電力系統」






1.電力系統






1.電力系統に関する例題(解答非公開)






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電力系統の要点


  1. 電力系統とは、発電所、変電所、送電線、配電線、需要家が連系されたシステムのこと。
    質の良い電力を需要家に経済的に安全かつ安定供給することが最重要事項である。

  2. 質の良い電力
    機器の安定動作と製品の品質維持のために、電圧変動・周波数を規定値以内に抑える。

  3. 経済的
    国際的な産業競争力を維持するために、電力料金を安価に抑える。

  4. 安全
    生命・財産や通信インフラを保護するために、電気設備等による火災・感電・誘導障害を発生させない。

  5. 安定供給
    電力を安定供給できないと、社会経済活動に多大な影響を及ぼす。
    電力需要の変化に柔軟に対応できる発電能力の確保や電力会社間の電力融通、万が一事故が発生しても速やかな復旧を図る体制を確保する。

  6. 発電所の主力は、水力発電所、火力発電所、原子力発電所である。

  7. 発電所付属の変電所で500kV〜154kVに昇圧して送電線に送り出し、需要地に近づくにつれて一次変電所で154kV〜66kV、二次変電所で66kV〜22kV、三次変電所で6.6kV〜3.3kVに降圧していく。
    最後に柱上変圧器で600V〜100Vに降圧し、一般需要家に電力を供給する。

  8. 電圧を高くするのは、線路抵抗による電力損失の軽減及び大電力を安定して需要地に供給するためである。
    ただし、需要家で高電圧を取り扱うのは危険なので、需要地近傍で電圧を適宜下げていくことになる。

  9. 変電所は変圧器で電圧を昇圧・降圧するだけでなく、発変電所間の連系、調相設備での無効電力制御、電圧変動の抑制、電力系統の事故等にも対応する。

  10. 配電用変電所とは、需要家に電力を供給するための最後の変電所のことであり、配電用変電所以降の電線路を配電線路と呼んでいる。

  11. 交流の電圧区分
    低圧:600[V]以下
    高圧:600[V]超え7000[V]以下
    特別高圧(特高):7000[V]超え

  12. 電力系統は送電系統と配電系統に大きく区分できる。
    送電系統はを送電線で大電力を需要地付近まで長距離移送し、配電系統は移送された大電力を配電線で需要家(負荷)に分配する。

  13. 需要家とは、電力の供給を必要とし消費する者をいう。

  14. 小口需要家とは、契約電力が500[kW]未満の事業者のこと。
    契約電力が50[kW]以上の場合は、高圧受電が必要となる。

  15. 大口需要家とは、契約電力が500[kW]以上の事業者のこと。
    契約電力が2000[kW]以上の場合は、特高受電が必要となる。

  16. 一般需要家とは、一般家庭、商店などの低圧受電の需要家のこと。

  17. 契約電力とは、過去1年間の各月の最大需要電力のうち、最大の値のものをいう。

  18. 事業者とは、経済活動を継続的に行う者をいう。

  19. 電力系統の計算は基本的に「電源・線路・負荷」の3構成で考える。

  20. 電源とは、電力を持続的に供給する源をいう。
    三相電源、単相電源
    発電所、変電所、柱上変圧器

  21. 線路とは、電力を移送するための電線及びそれを支える支持物などの設備全般をいう。
    送電線、配電線
    線路には、電気抵抗、インダクタンス、静電容量が存在する。

  22. 負荷とは、電源から電力の供給を受けて、何らかの仕事をするものをいう。
    三相負荷、単相負荷
    動力負荷:三相誘導電動機
    電灯負荷:照明器具

  23. 母線とは、変電所の変圧器と送配電線・各種機器を接続する電線をいう。

  24. 給電線とは、母線から引き出され、幹線に至るまでの分岐しない電線をいう。

  25. 幹線とは、需要家へ電力を供給するための幹となる電線をいう。

  26. 分岐線とは、幹線から分岐し、柱上変圧器に至る電線をいう。

  27. 送電方式
    需要家付近に大電力を移送する送電方式には、放射状方式と環状方式(ループ方式)がある。
    基幹送電線路は、環状方式を採用して供給信頼度を高めている。

  28. 配電方式
    需要家に電力を供給する配電方式には以下の方式がある。

    高圧配電線路:樹枝状方式、環状方式、ネットワーク方式
    低圧配電線路:樹枝状方式、環状方式、バンキング方式、ネットワーク方式

  29. 交流電気方式
    低圧以外の送配電線路の交流電気方式は三相3線式を採用し、低圧配電線路は需要家の負荷状況に応じて最適な方式を採用する。

    電灯負荷:単相2線式、単相3線式
    動力負荷:三相3線式
    電灯・動力共用負荷:三相4線式

  30. 単相2線式とは、単相電源からの2線により、負荷に電力を供給する方式

  31. 単相3線式とは、単相電源からの3線により、負荷に電力を供給する方式

  32. 三相3線式とは、三相電源からの3線により、負荷に電力を供給する方式

  33. 三相4線式とは、三相電源からの4線により、負荷に電力を供給する方式

  34. 送配電線路の線路電圧降下とは、電源側から負荷側に電力を送るまでに、単純に電圧の値がどれだけ降下(場合によっては上昇)したかをいう。

    線路電圧降下=電源側電圧−負荷側電圧

  35. 送配電線路で単に電圧といっている場合は、線間電圧のことを意味する。

  36. 電圧の維持
    電気事業法施行規則第44条第1項から、標準電圧に対し維持すべきで電圧の範囲

    標準電圧100[V]→100±6[V]
    標準電圧200[V]→200±20[V]

  37. 送配電線路の電圧調整

    重要な送電線路では、負荷変動によらず電圧を一定に維持する定電圧送電が行われている。これは、他の送電系統との連係や配電線路の電圧調整を容易にするためである。
    発電所や変電所における無効電力の調整により定電圧送電を可能なものとするが、電圧を一定に保つことが目的なので力率が悪化する場合もある。

    発電所:発電機励磁の強弱による無効電力調整で電圧を一定に保つ。
    変電所:調相設備による無効電力調整により電圧を一定に保つ。

  38. 配電用変電所は、負荷変動に応じて負荷時タップ切換変圧器または負荷時電圧調整器で低圧配電線路の電圧が許容範囲内になるように高圧配電線路への送出電圧を調整する。

  39. 高圧配線電路は、配電用変電所や柱上変圧器の調整でも低圧配電線路の電圧が許容範囲内にならない場合は、線路途中に配電用自動電圧調整器を設置して調整する。

  40. 低圧配電線路は、柱上変圧器のタップ調整(巻数比変更)で低圧配電線路の電圧を調整する。

  41. 周波数の維持
    電気事業法施行規則第44条第2項により、周波数の値は、その者が供給する電気の標準周波数に等しい値としなければならない。

    東日本の標準周波数:50[Hz]
    西日本の標準周波数:60[Hz]

  42. 発電電力と需要電力を一致させることにより周波数を維持する事ができる。
    一致できない場合は周波数の上昇・低下が生じる。

    周波数維持
    発電電力=需要電力

    周波数上昇
    発電電力>需要電力

    周波数低下
    発電電力<需要電力

  43. 調相設備とは、負荷変動に応じて、無効電力を調整し電圧調整または力率改善を行う設備のこと。
    電力用コンデンサと分路リアクトルが多く採用されており、電力用コンデンサに進相無効電力を、分路リアクトルに遅相無効電力を消費させる。

  44. 電力系統の事故は保護継電器で速やかに異常箇所を検出して、遮断器で健全な電力系統から切り離さなければならない。
    速やかな切り離しができないと電気設備の損傷拡大や健全な電力系統への波及事故及び感電・火災や通信線への誘導障害のリスクが高まる。

  45. 短絡事故とは電線間が抵抗0[Ω]で接続された状態になることである。
    短絡箇所に大電流〔短絡電流〕が流れ続けると、電線が異常発熱し破損してしまう。
    3線間の短絡を三相短絡といいい、重大事故の一つとなっている。

  46. 地絡事故とは、電線と大地間が低抵抗で接続された状態になることである。
    大地を通じて漏れだす電流〔地絡電流〕により、通信線への誘導障害や感電などが生じる。
    1線が大地と接続された状態を1線地絡といい、地絡事故のうち最も多い事故となっている。

  47. 混触事故とは、高圧側電線と低圧側電線が接触して通電状態になることである。
    混触により高電圧が低圧側に侵入し低圧側電気設備が損傷する。

  48. 三相短絡電流の計算は平衡三相回路で考えることができる。
    ただし、電力系統には変圧器(変電所)があるので、一次と二次側の複雑なインピーダンス換算が必要となってしまう。そこで、%インピーダンスを用いると三相短絡電流の計算を平易に行うことができる。

  49. 1線地絡事故は平衡三相回路で取り扱えないので総じて計算が複雑である。
    その為、電技解釈では簡易的な計算式が示されている。

  50. 電力系統の三相短絡電流の求め方

    @短絡点の線間電圧を基準電圧VBとし、新たな基準容量PBを設定する。
    A各部の%インピーダンスを新たな基準容量PBに合わせて換算する。
    B短絡点から電源側を見た場合の合成パーセントインピーダンス(%Z)を計算する。
    C新たな基準容量PBと基準電圧VBから定格電流Inを計算する。
    D三相短絡電流Is=In×(100/%Z)を求める。

  51. 単線図とは、複数の線を1本の線でまとめて書いた回路図のことである。
    複線図を簡略化したもので、全体の概要を示す場合に用いる。

  52. 複線図とは、複数の線で書いた回路図のことである。
    電気回路の配線を具体的に示したものである。

  53. 架空電線路とは、鉄塔と電柱により電線を空中に支持して電力を送る電線路のことをいう。

  54. 地中電線路とは、電線(ケーブル)を地中に埋設して電力を送る電線路のことをいう。

  55. 変圧器の三相結線方式
    変圧器の一次側と二次側を三相結線することにより、三相交流電力の変成を行うことができる。

  56. Y結線の電圧と電流の関係

    線間電圧=√3×相電圧
    線電流=相電流

  57. Δ結線の電圧と電流の関係

    線間電圧=相電圧
    線電流=√3×相電流

  58. 電圧を昇圧する場合はΔーY結線、電圧を降圧する場合はYーΔ結線を主に用いる。

  59. ΔーΔ結線は中性点の接地が必要ない場合やVーV結線に切換えて運転したい場合に用いる。

  60. 高調波の問題からYーY結線が用いられることはないが、YーYーΔ結線とすることにより三次側に調相設備を設置することができる。

  61. 中性点接地方式
    送配電線路の各種異常を抑制するために、変電所変圧器の中性点に接地を行う。

  62. 中性点接地方式には、直接接地、抵抗接地、非接地、消弧リアクトル接地、補償リアクトル接地などがある。

  63. 187kV以上の超高圧送電線路には直接接地方式、6.6kV以下の高圧配電線路には非接地方式が採用される。それ以外の線路は状況に応じた適切な接地方式を選択採用する。

  64. 柱上変圧器や変電所などの電力供給設備は、需要家が要求する需要電力に応えるだけの容量を確保しなければならない。
    需要電力は時間により変動するので、需要率と不等率を用いて電力供給設備の容量を決定する。

  65. 需要率とは、需要家の最大需要電力と負荷設備容量の比をいう。

    需要率=最大需要電力/負荷設備容量

    負荷設備容量とは需要家に設置されている電気機器類の定格容量の総計のことである。
    電気機器類全てが同時に使用されることはないので、需要家の最大需要電力は負荷設備容量より小さくなる。

  66. 負荷率とは、需要家のある期間の平均需要電力と最大需要電力の比をいう。

    負荷率=平均需要電力/最大需要電力

    需要電力の変動の程度を表したものであり、日負荷率、月負荷率、年負荷率がある。

  67. 不等率とは、需要家個々の最大需要電力の和と需要家群から生じる最大需要電力(総合最大需要電力)の比をいう。

    不等率=個々の最大需要電力の和/総合最大需要電力

    需要家個々の最大需要電力は同時刻で発生するわけはなく、必ず時間差が生じる。
    この時間差の程度を表したものが不等率である。

  68. 負荷曲線
    需要電力は時刻によって変動する。
    負荷変動の状況を把握するために、横軸に時刻、縦軸に需要電力(消費電力)を取り、グラフ化したものを負荷曲線という。

  69. 負荷力率の改善
    通常、負荷は誘導性〔遅相無効電力を消費〕であるので電力用コンデンサを負荷に並列に接続〔進相無効電力を消費〕して力率改善を行う。

  70. cosθ、sinθ、tanθのどれか一つの値が知れていれば、他の二つの値は下記の公式から求めることができる。

    cos2θ+sin2θ=1
    tanθ=sinθ/cosθ

  71. 負荷力率の改善の計算問題でよく用いる電力三角形は、複素電力のベクトル図から抜き出したものである。